青地 不動産登記簿上無籍地,公図上地番の記載がなく,関東地方では概ね緑色で色分けされている(地方によって着色が異なるものもある)ことから俗に「青地」といわれている脱落地をいう。これは明治初年の地租改正時に官民有地の区分方法の解約が地方によって必ずしも統一されていなかったために地券が交付されず,官有地として色分けされ,明治32年に制定された国有土地森林原野下戻法により下戻の手続もされなかったために国有地となっているもので,静岡,神奈川,東京都下,栃木等比較的東日本に多く西日本に少ないといわれている。
定期借地権 借地借家法により新設された,約定期間の満了により確定的に借地関係が終了し更新のない借地権制度で次の3種類がある。⑴存続期間を50年以上と定める一般定期借地権(借地借家22)。⑵期間満了後に借地上の建物を相当の対価で地主に譲渡することをあらかじめ約定する建物譲渡特約付借地権(借地借家23)。⑶事業目的に供する建物の所有を目的とする事業用借地権(借地借家24)。
賃借権 賃貸借契約に基づいて目的物を使用収益する賃借人の権利。民法上は債権であり,賃借物の所有者が変わると,賃借人は新所有者にその賃借権を対抗することができない(このことを捉えて「売買は賃貸借を破る」ということもある。)但し,民法605条は不動産の賃借権につき,特に登記をすれば新所有者に対抗する効力(対抗力)が生ずるものとしている。また,民法上,賃借権についてはどのように短い存続期間を特約しても有効とされ,期間を定めなければ土地の場合なら1年(建物の場合は3年)の猶予期間でいつでも賃貸人は解約することができることになっている(民617)が,借地借家法などの特別法により,不動産の賃貸借についてはなるべく賃借権が存続するように図られている。
賃借権の譲渡 賃貸借契約に基づく賃借人の権利(賃借権)を,第三者に譲渡するためには,賃貸人の承諾を必要とする。賃借人が賃貸人の承諾なしに賃借権を譲渡した場合,賃貸人は賃貸借契約を解除することができる(民612)。承諾があれば,譲渡を受けた第三者が,賃貸借契約の当事者(賃借人)になる。
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